「見える化」+「3Dデータ」でマニュアル作成するとDX(業務改革)がうまく行く訳

「見える化」。頻繁に目(耳)にする単語(言葉)です。

ここでは、企業が、経営効率の改善、業務の均質化、技術継承等を実現するために実施するノウハウの共有化・標準化の取組みについて「見える化」と定義して解説します。

「見える化」の代表例は、業務遂行の手順・要領や問題解決・改善方策などを標準化、明文化したマニュアルと呼ばれるドキュメントの整備です。

本記事では、製造業での「見える化」にスポットをあて、その重要性と、それを実現するマニュアルの意義について述べます。また、「見える化」の効果を高めるため、マニュアルへの3Dデータの活用についても触れ、その結果、DXと業務改革の実践に役立つツールが生み出される理由と根拠について説明していきます。是非、最後までお付合いください。

企業における「見える化」の取組みとは(今さらですが・・)

企業には、その活動において様々な種類の業務が存在します。それらは、ひとりの担当者だったり、あるいはチームで遂行したりします。

業務を遂行するとき、担当者それぞれで意識の濃い、薄いはあるにせよ、少なからず「手順」「要領」が重要な要素になります。

この「手順」や「要領」ですが、企業内でどのように機能したり、取扱われたりするのでしょう。

つい最近まで(現在でも?)、仕事は見て覚えるものであり、なかには伝統芸能を継承するがごとく「口伝」での教育・引継ぎが行われていました。

しかし、近年、「手順」や「要領」は、業務の効率改善、作業の均質化、技術継承のために重要な要素であると多くの人が認識し始めました。そして、これらの要素を明文化、開示、共有化する「見える化」が重要視され始めました。とりわけ、業務マニュアルは、企業経営における管理手法のひとつとして整備・見直しが急速に進んでいます。

コロナ禍でトレンドワードになっているBCP(事業継続計画)構築にも、業務マニュアルが大きな役割を果たしています。

「手順」や「要領」に限らず、業務に関わる情報を「見える化」して行くことは、あらゆる企業の経営と存続・発展のための必須テーマなのです。

製造業における「見える化」の意義

製造業において「見える化」は、どのような意義を持つのでしょうか。例えば、新規業務(製品の製造、サービスの提供)を遂行するための準備作業について考えてみましょう。

一般的には、業務(作業)のフローを解析し、そのプロセスごとにタスクを明確にすることから始まります。そして、それらのタスクを実施できる技術・能力を持った社員をキャスティングします。

つまり、以下の要素を「見える化」することで、実現を目指すのです。
  • 業務(作業)の手順、方法、注意点等の解析
  • 業務(作業)に携わる社員のもつ技術や熟練度の解析

また、1.は、PDCAを回すことで、より効果的な作業の標準化や業務の効率化の改善にもつながっていきます。

また、2.は、社員のキャリアアッププランの構築、目標管理の重要な要素になります。

「見える化」は、製造業はもとより、あらゆる企業で知的資本、技術資本、人材資本などの経営資源の蓄積・活用につながり、事業継続のため重要かつ不可欠であることを認識できたはずです。

「見える化」に欠かせないものそれはマニュアル

さて、「見える化」の結果は、文書(文字)、イメージ(イラスト、写真)、統計データ等により具現化され共有化されます。その成果としてすぐに思い浮かぶものは何ですか?既に述べたように、「業務マニュアル」が真っ先に挙げられます。

「業務マニュアル」の凄さは、ファーストフード店やコンビニエンスストアを訪れると実感できます。

大手ハンバーガーチェーンMをイメージしてください。店舗運営、接客、調理作業、新人教育等で活用され、日本中(世界中)いつでも、どこでも、期待を裏切らないサービスを提供してくれますね。

これらの業界では、業務マニュアルによって事業の永続性、サービスの均質性、収益性を確保していると言っても過言ではないでしょう。

製造系の企業にも事業推進のため、多くのマニュアルが存在します。製品生産時の「製造組立マニュアル」、サービスマン向けの「トラブル対応マニュアル」、販売代理店のための「教育・研修マニュアル」等、皆さんよくご存じだと思います。

マニュアルの起源ですが、19世紀後半にアメリカで、「工場の作業工程の改善・標準化」、「コスト圧縮や生産性の向上」のためのマネージメント手法として体系化されたと言います。つまりマニュアルは、産業革命以降、現代にいたるまで、生産活動やサービス活動における「見える化」のために、あらゆるところで重要な役割を担ってきたのです。

「百聞は一見に如かず」! 3Dデータによる効果的なマニュアルの「見える化」とは

唐突ですが、「百聞は一見に如かず」という言葉があります。

「人は、何度話を聞くよりも見ることに越したことはない。」

という意味で、よく知られたことわざです。

マニュアルの多くは、文字中心の情報伝達手段が主流になっています。マニュアルの文章は、テクニカルライティングという執筆技術で作成されます。しかし、読者が「一義的に解釈でき迷わない」文章を書くのは難しいものです。

一方、近頃はYouTubeなどを通じ、多くの種類の情報が文字ではなく「映像」や「音声」で配信されるようになりました。これにより理解のし易さや習得スピードが格段に向上しました。読者のみなさんも一度は恩恵にあずかったはずです。

しかし、マニュアルの世界でも文字を中心とした伝達手段からの脱却が始まっています。DX(デジタルトランスフォーメーション)の掛け声のもと、ICT技術により業務改革のツールとしてアニメーションや動画、音声を中心としたデジタルコンテンツが急速に増加しています。

製造業の分野でも、技術資産である3D設計データの活用することで、簡単にマニュアルをアニメーション化することが可能になりました。しかも、文字と比べて格段と理解し易いコンテンツとなり、まさに「百聞は一見に如かず」を実現したのです。

さらに、コンテンツのデジタル化は、紙媒体とは比較できないほどマニュアルの機能を向上させました。情報の検索性、視覚的な認知性、使い勝手の良さは、作業時間の短縮、教育や技術伝承、製品やサービス品質の均質化などに威力を発揮しています。

マニュアルは、作成すること自体が目的ではありません。そこにある情報を確実に伝え、それを利用してもらい、効率的な企業経営を実現することが目的です。

技術資産のひとつである3Dデータ(設計データ)を活用して、伝わるマニュアルを作成してください。「見える化」と「3Dデータの活用」で最強のDX(業務改革)にチャレンジしてみましょう

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