読まれるマニュアル作成のコツとは?ビジネス視点で考えてみよう!

序章

世の中には、様々なマニュアルが存在しています。
誰もが一度は目にしたことがある家電の操作マニュアルや、会社の社員研修用のマニュアル。また、紙マニュアル、WEBマニュアル、動画マニュアルといった、媒体の違いなども。目的や用途によって、種類や形態がちがうマニュアルですが、これらはどのように作成したらいいのでしょうか。マニュアルは作成するだけで本当にいいのでしょうか。
本記事では、「読まれるマニュアル」を作成するコツやポイントをビジネス視点で解説します。

マニュアルの種類と違いを理解しよう

マニュアルは大きく「2種類」にわかれます。ビジネスや教育などに用いられる「業務マニュアル」と製品の操作などの説明に用いる取扱説明書を含む「操作マニュアル」です。どちらも「マニュアル」として扱われていますが、その目的や役割は全く違うものです。
それぞれのマニュアルの目的や役割を考えてみましょう。

「業務マニュアル」とは

名前のとおりビジネスや業務での使用を目的としたマニュアルです。全国展開されている飲食店の店員用のマニュアルや、社員教育や研修を担当する講師用のマニュアルなどが該当します。業務マニュアルの目的は「業務の標準化・統一性」にあります。
例えば、全国展開の飲食店の場合、どのお店に行っても同じ接客、同じ料理、同じ環境が提供されます。これは社員やアルバイトに関係なく、どの店員も同じクオリティを顧客に提供できるよう、ビジネスのやり方やルールを統一しているからです。この「どこでも・誰でも同じ」を提供するためのマニュアルが「業務マニュアル」になります。

「操作マニュアル」とは

業務マニュアルは「ビジネス」で使われるものだとすると、「操作マニュアル」はそれ以外のシーンでよく使われるものと言ってもいいかもしれません。電子レンジやロボット掃除機などの家電や、ゲームソフトのマニュアルなどが該当します。操作マニュアルの目的は「正しく・安全に操作する」ことにあります。そのため、使い方や操作方法について記載されているのはもちろんのこと、操作する場合の注意点や故障した場合の対処など、必要な情報を提供するという役割を担っている。それが「操作マニュアル」になります。

「読まれないマニュアル」に潜むキケンとは

業務マニュアルと操作マニュアルという2種類のマニュアルがあること、それぞれのマニュアルには目的や役割があることを理解していただいたと思います。
目的や役割を理解した上で、いざマニュアルを作成したとしても、誰にも読まれなかったり、活用されたりしなかったら。そのマニュアルは目的も役割も果たすことはできません。
では、せっかく作成したマニュアルが読まれなかった場合、どんなキケンが潜んでいるのでしょうか。

「業務マニュアル」が読まれなかった場合のキケン

  • 社員もアルバイトもみんな違う方法で業務をする
  • ミスやトラブルが起こる
  • 人によって業務の教え方、習得のレベルに差が出る
  • サービスのクオリティにバラつきがでる

などが考えられます。これが全国展開の飲食店で起こった場合を想像してみましょう。顧客はシビアですから、当然クレームにつながることでしょう。昨今ではSNSなどでその評判が広がるスピードも速く、会社の信頼やイメージは落ち、ブランド力の低下につながるかもしれません。

「操作マニュアル」が読まれなかった場合のキケン

  • せっかく購入したのに上手く使えない
  • 適当に操作したら、使用できなくなった
  • 使い方が悪くて、ケガをした
  • 問い合わせや苦情が増える

などが考えられます。これが家電メーカーで起こった場合を想像してみましょう。やはりこれらはクレームにつながることでしょう。とてもいい商品だったとしても、ユーザーの声はやはりその売れ行きを左右します。また、問い合わせの増加は、コストアップにもつながります。 メーカー側がマニュアルでPL対策をしていたとしても、ケガが頻発するようでは、やはり商品イメージは悪くなりますし、メーカーの信頼にも直結するかもしれません。

読まれるマニュアル作成 7つのコツ (ビジネス視点編)

そもそも「読まれないマニュアル」にはどんな特徴があるのでしょうか。
世の中にあふれているマニュアルには「とりあえず、全部載せてみました」というものが目立ちます。そのため、分厚くなっていたり、どこに何が書いてあるのかわからなかったり。あるいは、書かれている内容が理解できなかったり・・・。
残念ながら、読む側の立場が考えられていないため、読む意欲が削がれ、「読まれないマニュアル」に陥るのです。

では、「読まれるマニュアル」を作成するにはどうしたらいいのでしょうか。
マニュアル作成で大切な「7つのコツ」をビジネス視点でまとめてみました。

コツ① 読み手(ターゲット)を明確にする

このマニュアルは誰のために作成されたのか、この文章は誰に読んでほしいのか。これを最初に記載しておきます。最初に記載することで、読み手は自分に該当する箇所、つまり必要な情報だけを読めばいいことになります。もしかしたら、そのマニュアル自体を読まずに済むかもしれません。
例えば「店長業務マニュアル」であれば、店長である社員が対象であることが一目瞭然です。
また「保守・点検作業の担当者はこの章をお読みください」と記載されていれば、製品修理の担当者が対象であることがわかります。

コツ② 読み手を理解する

このマニュアルの読み手はどんな人なのかを想定します。例えばビジネスや業務を全く知らない新入社員であれば、当たり前の内容もマニュアルに記載する必要があります。
小学生が対象の商品であれば、使用する言葉や表現は、専門用語や難解な文章ではなく、身近な言葉や文章で記載する必要があるかもしれません。また漢字には読み仮名をふったほうがいいかもしれません。読み手がどんな人なのかで、マニュアルに記載する内容や文体が違ってくるのです。

コツ③ マニュアルが作成された目的を記載する

このマニュアルを読むと「何ができるのか」「どのような成果があるのか」といった目的やゴールを記載します。例えば、目的が「録画」であれば、DVDレコーダーマニュアルの「録画をする」という記載を読むことで目的が達成されます。また、検索性がアップすることで素早く情報にアクセスすることも可能になります。
接客・レジ対応・シフト調整などの業務全体を把握できる、アルバイト店員の育成マニュアルであれば、必要な知識と作業を理解し、スムーズに対応できることをゴールに設定できます。

コツ④ 誰が読んでも「同じ」理解ができる内容にする

同じターゲットでも、読み手の経験値や知識量で理解の仕方が変わってきます。しかしながら、マニュアルでは「誰が読んでも同じ結果になる」ことが求められています。これは「業務マニュアル」においては「クオリティの統一」につながります。「操作マニュアル」では「安全」を提供するために必須となります。そのため、専門性の高い表現がある際は解説を記載するなどの補足が必要になります。また魅力的な文章でも、情緒的表現は理解の妨げになるので使用しないようにしましょう。

コツ⑤ 文字だけでなく図やイラストも使用する

図があることでわかりやすくなる場合は、必ず図を載せるようにします。また、言葉での表現が難しい場合も同様です。図やイラストは、読み手の理解の助けになるだけではありません。文章ばかりのマニュアルは、とても読みづらいものになります。関連するイラストや写真を載せることで、各段に読みやすくなる効果もあります。

コツ⑥ 作業や操作の手順だけではなく、その目的や結果も記載する

読み手は自身の対応が本当に正しかったのか、操作の結果はこれでいいのかと、常に不安を持っています。手順とその結果はセットで記載することで、「正しさ」を確認できるようにします。
読み手の不安を払拭するだけでなく、誤対応や誤操作の防止にもなります。

コツ⑦ 定期的に見直しをする

マニュアルは「情報の正確さ」が肝になります。マニュアルの記載と業務の内容が違っていたら正しい結果を得ることはできません。また、古い情報のまま製品の操作をしたことで事故が起きた場合、訴訟につながるリスクを負うこともあります。常に最新の正しい情報を提供するためには、定期的にマニュアルを見直し、更新する必要があります。

まとめ

今回は「読まれるマニュアル作成のコツ」について、ビジネス視点で解説しました。本記事が皆さまのマニュアル作成のお役にたてれば幸いです。
「コツ」は理解したが、自社で作成するのはやっぱり難しいと感じる方、不安に思われる方もいらっしゃると思います。その際はマニュアル作成の専門会社に委託することも検討してみてください。当社もその委託先として検討いただけるとうれしく思います。


ダイテックでは製造業のマニュアル作成改善を検討する際に、考慮すべきポイントをまとめた入門資料「安心と安全をカバーするマニュアルづくり 3つのポイント」「なぜ読むマニュアルから『見る3Dマニュアル』が増えているのか?わかるガイド」をご用意しました。本資料は、マニュアル作成改善をしたい方には必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。

安心安全をカバーする・マニュアルづくりの3つのポイント
お役立ち資料
この資料は、マニュアル作成するうえで知ってもらいたい基礎的な情報を提供するものです。 「何故、マニュアルが必要なのか」「何に従って、何を書けばよいのか」「情報をどうやって伝えていくのか」等の情報を、初めてマニュアルを作成する人に向けて解説しています。 サンプル目次、ISO/IEC82079のチェックリスト、テクニカルライティングチェックリスト、見直し事例等、私たちのノウハ ウや考え方の詰まった貴重な資料です。是非、ご覧ください。
マニュアル作成
サービスサイト | 株式会社ダイテック