マニュアル作成するなら、ワードとエクセルどっちがいいの?作成のコツやポイントも紹介

ワード(Word)とエクセル(Excel)の違い

マニュアル(取扱説明書)を作りたい!でもどのようなツールを使って、マニュアルを作成したらよいのか?何を基準にツールを決めたらよいのか?とマニュアルを作成する以前に、ツールで迷っている!という方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、皆さんの身近なOfficeツール、ワードとエクセルのどちらでマニュアルを作成すればよいか、皆さんが判断できるような情報をお伝えします。

マニュアル作成における、ワード(Word)とエクセル(Excel)のメリットとデメリットを公開!

マニュアルを作成をするとき、どんなツールを使えばよいかと迷われる方も多いと思います。
そんなときは、まず、どのようなマニュアル(取扱説明書)を作成したいのか、マニュアル(取扱説明書)を作成する目的を明確にしてください。目的を明確にすることで、どのようなツールが最適なのかがわかってくると思います。

また、作っている途中で、「やっぱりワードの方がよかった!エクセルで作成した方がよかった!今から作り直そう」。ということは、ありませんか?
作成途中で別のツールの方がよかった。ということは、ツールの特性を理解しておくことで防げます。 まず、ワードとエクセルの違い、特性を一部お伝えします。

       ワードの特徴
1. 文書作成に適している
2. 様々なスタイルが作成できる
3. 目次の自動生成ができる
4. 誤字脱字、表現のおかしな日本語が一目でわかる
5. 印刷範囲がわかりやすい、印刷がしやすい
6. チェック者のコメントや変更履歴をつけられる
       エクセルの特徴
1. 表計算、データの集計に適している
2. 数値データを基にしたグラフ作成ができる
3. 入力規則設定で誤ったデータの入力を防止できる
4. 関数やマクロ機能が豊富にある
5. タブで横並び管理ができる、管理しやすい
6. 列ごとに一括で書式を設定できる

結論を言えば、

ワードとエクセルのどちらのソフトでもマニュアルを作成することは可能です。それぞれに、メリットがあります。


まず、どのような目的でマニュアルを作成するのかを明確にし、そして作成後の運用方法を明確にした上で、マニュアルを作成するツールやソフトの選定をしてください。

作成後に、「ワードで作ったものをエクセルで開きたい!」「エクセルで作ったものをワードで開きたい!」という場面があったとしても、できないことはありませんが、多大な労力がかかりますのでお勧めしません。
後からの手間を避けるためにも、マニュアルを作成する目的や後工程(マニュアルの運用方法)を明確にし、自社に適したソフトで作成してください。

ワード(Word)でマニュアル (取扱説明書) を作成するメリット・デメリット・コツ

1つ目の項目で特徴をお伝えしましたが、こちらではワードでマニュアル(取扱説明書)を作成するメリットとデメリットや作成のコツ(ポイント)お伝えします。

<メリット>

スタイル設定ができる

タイトル、見出し、段落、リストにスタイルの書式設定を登録しておくと、入力するたびに、フォント、文字ポイント、色、インデントなどを変える必要がなく、ボタン1つで効率よく一貫した書式のマニュアルを作成することができます。

目次の自動生成ができる

スタイルで見出しを設定しておけば、ワードでは目次を自動的に作成することができます。
作成中にページが変更になっても、目次を更新すれば自動的に最新のページを表示するので、マニュアル作成作業の効率がアップします。

図や画像をリンクとして貼り付けできる

埋め込みと違い、画像データを「リンク」で貼り付けることで、ワードファイルを軽量化できます。ファイルが軽量化されますので、編集作業をサクサクと軽快に進めることができます。

貼り付け方法:「挿入」→「画像」→「挿入▼」→挿入とリンク」


この際、リンクデータも一緒に管理をする必要があるのでお気をつけください。
ワードを開くときにリンクデータがないと画像がすべて反映されません。
せっかく作っても歯抜け状態のデータになってしまうおそれもありますので、リンクで作成する際は、リンクデータの管理にもお気をつけてください。

リンクデータの管理については幾つか注意すべきことがありますが、しっかり管理しておくと、とても効率よく使用ができます。

コメントをつけたり変更履歴を記録したりできる

ワードの「変更履歴の記録」 を使用すると、挿入したり削除したりした文章を色つきで表示し、変更箇所を共有できます。

またコメント機能を使うことで、マニュアル作成者の申し送り事項やチェック者のフィードバックを確認することができます。

<デメリット>

  • ワード独自のルールやスタイルが多く、覚えるのが大変
  • 一つのワードファイルで大量ページのマニュアルを作成するときに、動作が重くなり作業が進まない
  • 自由度が高すぎて、マニュアル全体の統一が維持できない(人によっても作り方にバラつきが出る)

ワードでマニュアルを作成するデメリットはほとんどありませんが、ワードならではの独自のルールや機能があり、ルールや機能を正しく活用しないと、ワードを使うメリットがデメリットに転じてしまいます。


マニュアル作成に便利な機能はたくさんありますが、今回紹介した機能の活用から取り入れてみてください。

<マニュアルを社内で作るのは大変!>

いずれにしても、ワードでマニュアルを作成する際には、ツールの機能を使いこなすだけでなく、誰に、何を、どのように伝えたいかが大切なことです。分かりやすく伝えるための技術も学ぶ必要があります。

これらのことをすべて的確に対応することは、なかなか一朝一夕にできることではありませんし、時間と労力が必要になります。忙しい業務の合間にマニュアルを作成するのは、大変なことでしょう。

そんなときには、アウトソースも選択肢の一つになります。

マニュアルアウトソースのすすめ

※番外編【マニュアル作成お役立ち資料】

初めてのマニュアル作成や運用のための基本的な情報を記載した、お役立ち資料をご用意しました。是非ダウンロードいただき、マニュアル作成にお役立てください。
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エクセル(Excel)でマニュアルを作成するメリット・デメリット・作成のコツ

エクセルでマニュアル(取扱説明書)を作成するメリット・デメリット・作成のコツについては、

「エクセルで簡単にマニュアル作成する方法~おすすめの無料アドインをご紹介~」

のブログでも紹介していますので、そこから抜粋し、お伝えします。

<メリット>

図形や画像が追加しやすい

図やグラフを用いることで、さらにわかりやすいマニュアルが作成できます。画面のスクリーンショットをそのまま貼付けることも可能です。

※作成のコツ(ポイント)
図などの貼り付け過ぎによって、エクセルの動作が遅くなることがあります。貼り付け過ぎにはご注意ください。たくさん挿入する場合は、ファイルが固まったときのために、こまめに保存をするように心掛けてください。固まってしまった場合、データの復元ができなくなってしまうおそれがあります。

表形式のマニュアルの作成が容易

システムの仕様書や作業手順書などを表形式で作成する場合は、エクセルが便利です。
部署を選択するなど、決められた入力項目(リスト)の中からプルダウンでデータを選ぶこともできますので、データの品質維持にも役立ちます。

ページに制限がない、タブで管理ができる

ワードやパワーポイントのようにページの区切りがありませんので、自分の好きなように使うことができますが、印刷を想定する場合は、ページ区切りなどを意識してください。


また、作業工程ごとにシート、タブで管理ができます。
他のシートやタブを見落とす場合があるため、別なシート、タブに記載していることページ内に記載してあると、より親切なマニュアルになり、見落としがなくなると思います。

<デメリット>

印刷に手間がかかる

基本は「A4タテ」設定となっています。
印刷ページの制限がないことによって、横や下に長く作りすぎるなど、せっかく作ったものが印刷範囲設定によって、ページに上手く収まりきらない場合があります。
印刷を想定する場合は、先に印刷範囲設定をおこない、目で見えるようにしておくと、どこまで作成していいか目安となります。

※標準設定が「A4タテ」なので、改めて設定をする必要はありませんが、確認をしておくと間違いがありません。
また「表示」→「改ページプレビュー」と操作すると印刷される範囲が簡易的にわかります。

デザイン性に欠ける

他のツールに比べ、こだわったデザイン性などには欠けますが、エクセル内のツールでもフォント、色の使い分けが統一されているだけでも美しく見せることはできます。
エクセルで作成される場合は、デザイン性よりも読み手へのわかりやすさが重要になります。


また、環境依存文字の使用は避けてください。
エクセルで閲覧をする場合、オペレーション環境によって文字が見えない場合があります。

「必ず上付き環境依存文字にする」のような説明をしたい場合は、キャプチャを添えるなど工夫をしてみてください。

ワードとエクセルに共通したメリット・デメリット

最後のまとめに入る前に。

ワードとエクセルに共通したメリット、デメリットをお伝えします。

<ワードとエクセルに共通したメリット>

誰でも簡単に作成ができ、導入費用がかからない

ワードもエクセルも身近にある手軽さから誰でも簡単にマニュアルを作成したり、修正したりできます。多くのパソコンには標準装備されているため、導入費用などのコストがかかりません。
一般的なマニュアル制作DTPソフト(Adobe InDesign、Adobe FrameMaker、Adobe PageMakerなど)の場合は、購入費用または月額の使用料金が必要になります。

※標準装備されていないパソコンやOfficeライセンスの購入が必要なものにつきましては、導入コストが発生します。

<ワードとエクセルに共通したデメリット>

スマートフォンなどの端末から閲覧が困難

スマートフォンなどライセンスを持たないものからワードやエクセルをそのまま閲覧することは困難です。
スマートフォンなどからの閲覧が想定される場合は、PDFにしておくことをおすすめします。

マニュアルの統一性などの品質維持が困難

ワードやエクセルは、誰でも簡単にマニュアルを作成できる一方で、自由度が高いがゆえにマニュアル全体の統一性や品質維持が困難になります。
人によってアウトプットのばらつきが生じたりしやすいことがデメリットです。マニュアルの品質を維持するためには、社内でマニュアル作成ルールを共有して徹底する必要があります。

エクセルでマニュアルを作成する際には、マニュアル作成のルール検討をしたり、エクセルの機能を使いこなすだけでなく、誰に、何を、どのように伝えたいかを明確にし、読み手に分かりやすく伝えるための技術も学ぶ必要があります。

忙しい業務の合間に「分かりやすい」マニュアルを作成するのは、大変なことでしょう。

まとめ

それぞれのメリットやデメリット、ツールの特性を知っておくことで、そのマニュアル(取扱説明書)にあったツールを選定することができます。
マニュアルを作成する際のコツやポイントは、他のブログでも紹介されていますので、ご参考いただき、マニュアルを作成してみてください。

また、次回以降ワードでマニュアルを作成する方法をご紹介したいと思います。

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