3Dと動画を活用したマニュアル作成

序章

ご訪問ありがとうございます。もうあたりまえに私たちの身近にある3Dと動画。

マニュアルの世界でもちょっと前までは「こんなことができたらいいな」と言っていたものが「こんなことができます」という事例に置き換りましたね。とはいえ、まだまだ手探りが多いのもまた現状です。

本記事では、マニュアルにおける3Dと動画のより効果的な活用について解説します。

3Dと動画のマニュアルでの役割

さてさて。取扱説明書の中で、3Dアニメーションや動画に期待される役割とはなんでしょうか。

「そんなことは解り切ってるよね、こまごまと説明をしなくても単純明快に伝わるからでしょう?」

もちろん! そのとおりです。今、この記事をお読みいただいている方には釈迦に説法でしょうが、

マニュアルの役目の第一は「正しく手順を伝えること」

これに尽きます。

それでもさらに説法を続けさせていただきますと、「正しく伝える」は「誤解なく伝える」とも言えますよね。しかし悲しいかな、、、言葉や文章での説明は、その区切り方や単語のニュアンスによって「え?そっちに解釈したの?!」ということが起こるのも事実。

では、誤解を無くすにはどうしたらよいでしょうか。

実際の作業=手順の実演を目の前で見る。 

これに尽きますね。

実演しながら熟練の人に解説をしていただいたら、、、鬼に金棒とはまさにこのこと。こんなに解り易く、心強いことはありません。それは解っている、解っていますけれども、もちろん「そんなの無理」。

そこで3Dや動画の出番です。目の前の実演にくらべれば臨場感などないし、音はまだしも匂いや振動などは伝えられません。とはいえ、文章での説明にくらべれば直感的に伝わります。

でしょ!じゃあとにかく手順の最初から最後まで、動画を作ろう。記録映画をドキュメンタリーって言うわけだし、ドキュメントって、まさにそのことでしょう?」

いえいえちょっと待ってください。数分でも「長い」といわれる動画を、手順の最初から最後まで見続けることができるでしょうか。

「仕事だもの、やりますよ」。

そうでしょうか。たとえそれが15分や20分、1時間におよぶ作業であっても?

「早送りだってできるし、必要なところだけ見るよ」。

そうかもしれませんね。

しかし、マニュアルに書かれている情報は機種用途の説明安全記載作業に必要な準備資材などなど多岐にわたります。手順だけがマニュアルではないのです。そうした情報も含めて読み手に伝える使命がマニュアルにはあります。

文字や文章で伝えるべきこと、3Dアニメーションや動画で伝えた方が良いこと。「どちらが、何が得意か」の視点では、3Dアニメーションや動画が適しているのは

動き、作業の流れ、人の動作を伝えること」です。

その部分に効果的に3Dアニメーションや動画を配置してこそ、両者はマニュアルでの役割を果たしていると言えるでしょう。

国内でも海外でも通用するマニュアルに

工業製品の市場は、今や日本国内だけではありません。「わが社の製品の多くは海外向け」というメーカー様も珍しくはありませんよね。

別記事「マニュアル作成は誰の仕事か?」では国内と海外の工業規格に準拠する必要性について解説しました。それはもちろん重要な要素なのですが、マニュアルにとっては作業や手順の記載こそがキモ。

当然ながら使用言語が違えば作業環境も違う、そんな人たちにも「正しく、誤解なく」伝わらなければ意味を成しません。

しかし、日本語の記載を日本人が読んですら誤解があるのに、違う言語を使う人たちに伝えるなんて、、、

「一流の翻訳会社に翻訳を依頼すればいいよね」。

そうですね。手堅い選択です。

でもちょっと待ってください。 翻訳会社の仕事は

「元の文章を正しく翻訳=変換すること」。

書かれていないことを訳すことはできないのです。

「いやいやいや、知らない言語のニュアンスにまで配慮して日本語を書くなんて、できるわけがないでしょう」。

それもまた、そうですよね。

ほら、そんな時こそ3Dアニメーションや動画の出番ではありませんか?

だってこれまでの紙のマニュアルでも、手順⇒イラスト⇒手順⇒イラスト⇒手順⇒イラスト、、、こうして解説してきたじゃないですか。

手順⇒イラスト⇒手順⇒イラスト⇒手順⇒イラスト、、、その中で、「動き、作業の流れ、人の動作を伝えること」が必要とされる部分に3Dアニメーションや動画を使用したと想像してみてください。

言葉が通じない人にも「コツ」を伝えることができると思いませんか?

3Dと動画の効果的な活用方法

手順解説の中で「動き、作業の流れ、人の動作を伝えること」が必要な「コツ」を要する部分を

「必要最低限の短い」3Dアニメーションや動画で説明することが望ましい、と私は思います。

それには2つの理由があります。

1つ目の理由は「読み手が長い動画閲覧を望まないこと」です。

だらだらと長い手順を見せられても、集中力は途切れて伝えたいことの焦点はぼやけてしまいます。

あの動画SNSの最大の魅力はなんでしょうか。

そう、短いことですよね。

文章で伝えるテクニカルライティングがそもそもそうなのですが、意図が伝わるギリギリまで不要な単語をそぎ落としたシンプルな文章であるべきです。それは、とりもなおさず誤解を防ぐため。

3Dアニメーションや動画も同じことが言えると思います。

実写動画を作るためのムービー撮影の場面では使うかどうかわからない部分も撮影はしますが、後々の編集作業で不要な部分はカットします。

2つ目の理由は、コストバランスです。

Webで閲覧するHTMLマニュアルなら想像が容易でしょうが、必ずしもすべてのユーザーが手順にそってすべての動画を閲覧するわけではありません。

こと3Dアニメーションに限っては、XVLからの生成であれば半自動と言えますが、それでも閲覧の期待が薄い手順まで作り込みをしたり、検証やチェックの手間をかけたりしては、時間=コストがいくらでもかかってしまいます。

これが実写動画を作るためのムービー編集となればなおさらです。

そう、わからない時、困った時だけ「動画はどうなってるのかな」と見るのです。 閲覧の可能性が低い部分の動画を作ることは、ずばりムダなのです。

まとめ

最後までお読みくださり、ありがとうございました。
いかがでしょう、「3Dと動画を活用したマニュアル作成」のコツについて解説させていただきました。
「ナルホド!」と感じていただけたでしょうか。

もちろん、3Dアニメーションや動画の効果的な活用には、ここで述べた以外にもいくつかの「コツ」や「ポイント」があります。
だからこそ「プロに依頼してみよう!」とお考えになったら、ぜひマニュアル作成の専門会社にご相談ください。きっとあなたのお力になります。

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