3Dマニュアルを作るには?(3Dアニメーション編)

序章

3Dマニュアルと聞いて、「飛び出すテレビ」ならぬ「飛び出すマニュアル」を連想する人もいると思います。3Dマニュアルとは、3DCADツールで設計した3Dモデルを、そのままユーザー向けに応用したマニュアルです。3Dモデルには、たくさんの大切な設計情報が埋め込まれています。設計者が精魂込めて作成した3Dモデルを設計だけで終わらせるのはもったいない。もっと下流工程でも使っていこうというコンセプトで3Dマニュアルは生まれました。しかしよく聞く声として「手順が難しそう!」「お金がかかりそう!」など、良いのはわかっているけれど、すこし消極的なご意見もいただきます。本記事では、3Dアニメーションマニュアルの疑問点や作り方を解説していきます。

3Dマニュアルとは?マニュアルのアニメーション化

3Dマニュアルと聞いて、何を連想しますか?「飛び出す3Dテレビ」「3Dめがね」などさまざまだと思います。本記事でいう3Dマニュアルは、3DCADツールで設計した3Dモデルを、そのままユーザー向けに応用したマニュアルです。私たちがよく見るマニュアルは文字とイラストでできており、本のカタチで現場の隅っこに埃を被って置いてあることが多いと思います。マニュアルの置き場所が分かっているのはまだ良い方で、装置トラブルが起こったときに「まずマニュアル探しから始まる」という会社も少なからずあります。

そもそもマニュアルとは何でしょう?

マニュアル(英:Manual)ないし手引書(てびきしょ)とは、ある条件に対応する方法を知らない者(初心者)に対して示し、教えるために標準化・体系化して作られた文書である(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

とあります。

読者(対象者)=(イコール)知らない者(初心者)とあるため、知らない人が読むもの、つまり「毎日、装置を扱っている自分達には関係ない!」と思っている方が大半です。しかしよく考えてみてください。通常操作は理解できていても、異常(トラブル)が起こったとき、本当に対処できますか?よく起こるトラブルならいざ知らず、初めてのトラブルには、やはりマニュアルがないと対応は難しいと思います。そう考えると
「必要な時に必要な情報がすぐに取り出せる(見つけられる)」
がマニュアルの最初の条件になります。
この条件を満たすために、「マニュアルのPDF化→PCで閲覧」が主流になっていきました。PCであれば、探す手間いらず、検索すればすぐにマニュアルが出てきます。さらに自分が知りたい手順(トラブル対処方法)をPDF上で検索すれば、すぐにたどり着きます。ここまでは「最初の条件」をクリアするには十分なのですが、ここで新たな問題が発生します。それは、たどり着いた対処方法が「分かりづらい、理解できない」という問題です。「手順の文章と挿絵を見るが、理解しづらい」「手順が意味不明。挿絵が現物と違う。」など、「マニュアルあるある」です。
製品の設計者は「ユーザーに製品の使用方法を伝えたい」、
ユーザーは「製品の使用方法を理解して便利に使いたい」
この両者の思いを実現する為、テクニカルライターは、文章とイラストで製品の使用方法をユーザー側に伝える技術を磨いてきました。
「文章とイラストで伝えきれない手順をもっと分かりやすく伝えられる方法」
その結論が3D(アニメーション)マニュアルです。

3Dマニュアルの簡単な作成方法(アニメーション編)

イラストや文章で伝えきれない製品の使用方法を伝えられるアニメーション。「よし、やろう!」と思った瞬間、次に浮かんでくるのは「でも、難しそう」「センスないし・・・」というネガティブワードはないでしょうか?マニュアルの重要ポイントである「分かりやすさ」で抜群だったにも関わらず、マニュアルのアニメーション化が進まなかった理由として
「アニメーション作成ソフトを使いこなせない(難しい)」
「センスが必要」
「コストが高そう」(次の節で説明します)
があるかと思います。

たしかに数十年前からアニメーションの「分かりやすさ」が優れている事は分かっていたものの、上記に掲げた理由で二の足を踏んでいる企業も少なからずありました。しかし2000年ごろからXVLというCADを超軽量化してアニメーションを簡単に作成できるツールが登場しました。

アニメーションの作成方法はいたってシンプルです。
1.3DCADデータをXVLに変換
2.変換されたBOMを組み立てる(アセンブル)単位で切り分け(製造BOM作成)
3.組立工程順に部品を並べる。組立に必要な副資材(グリスやウエスなど)、工具(ドライバー、六角レンチなど)、設備(クレーン、エアーコンプレッサーなど)も追加(BOP構築)
4.「工順・軌跡の自動作成」「カメラの自動作成」のボタンを押す

上記の手順通りにやれば、ある程度は自動で作成してくれます。少々、組付ける方向が違う箇所を修正すればアニメーションの完成です。より完成度を上げる為、コメントを追記したり、写真を挿入したい、工具を入れてみたりと、あとは工夫次第でさらに分かりやすいアニメーションになります。この手順通りにやれば、たとえ「センス」がない人でも、ソフト操作が苦手な人でも、時間さえあれば、誰でも簡単に自由にアニメーション作成できます。

3Dマニュアルのコストメリット

とは言っても、作成コストは「文字とイラスト」の方が断然安い!と思っておられませんか?
確かに、XVLの登場前は、「Adobe (以前はmicro media)FLASH」などのアニメーション作成ソフトでアイソメ図をそれっぽく見せながら、分解や組立を表現しており、非常に工数とコストがかかる業務でした。さらにデザイン料なる費用も発生し、設計変更に対応するなら、初期作成と同じくらいの工数とコストがかかりました。アニメーションは現場作業者や保守点検者のニーズにマッチした存在には程遠く、リッチなメーカーが作る単なるお飾り的な存在でした。
やがて3DCADで設計するメーカーが少しずつ増えてきて、3Dモデルが徐々に整備されていくと同時に設計以外での活用が叫ばれ始めました。3Dモデルを使えば、簡単に分かりやすいマニュアルが作成可能です。しかもイチから作成するわけではないですので、工数もコストも大幅削減できます。文字とイラストで複雑な手順をマニュアル化する場合、どうしても手順が多くなり、イラストも多めになります。それがかえって、ユーザーの理解度を妨げてしまうケースもあります。それが「分かりにくい、やり方が分からない」→「問い合わせしよう」→「サービスマンを呼び出そう」になり、アフターセールのコストアップにつながってしまうのです。また設計変更にも柔軟に対応できる点も、敷居が低くなったポイントです。

これからの主流は3Dマニュアルになっていく

5Gの時代に突入し、通信速度は格段に高速化し、通信料は政府の後押しもあって、ある程度お手頃になってきています。世界の統計データを見ても、スマートフォン、タブレットの普及率は、一人一台が当たり前、情報収集は動画コンテンツの時代です。ユーザーは確実に「分かりやすさ」を求めており、3Dマニュアルはその最たるものとして、当たり前になっていくはずです。未来のマニュアルづくりのために、3Dデータの有効活用に是非チャレンジしてみませんか。

ダイテックでは製造業のマニュアル作成改善を検討する際に、考慮すべきポイントをまとめた入門資料「安心と安全をカバーするマニュアルづくり 3つのポイント」「なぜ読むマニュアルから『見る3Dマニュアル』が増えているのか?わかるガイド」をご用意しました。本資料は、マニュアル作成改善をしたい方には必見の資料です。ぜひダウンロードいただき、ご覧ください。